【7月8日 AFP】(更新)カリブ海(Caribbean Sea)の島国ハイチのジョブネル・モイーズ(Jovenel Moise)大統領が7日未明に自宅で襲撃を受け暗殺された事件で、警察は7日、首都ポルトープランスで行った作戦で「傭兵(ようへい)」4人を殺害し、2人を拘束したと発表した。容疑者の身元や動機については言及していない。

 ハイチ国家警察のレオン・シャルル(Leon Charles)長官は、テレビ会見で「傭兵4人を殺害し、2人の身柄を確保した。人質となっていた警官3人は救出された」と述べた。

 シャルル氏によると警察は、大統領夫妻がポルトープランスの私邸で襲撃された直後から犯行グループの追跡を開始した。複数のメンバーが逃走を続けており、警察と犯行グループとの戦闘が続いているという。

 警察発表に先立ち、フランツ・エグザンタス(Frantz Exantus)通信次官がツイッター(Twitter)への投稿で、7日午後6時(日本時間8日午前7時)前に警察が「暗殺の容疑者ら」を拘束したと明かし、詳細は追って発表するとしていた。

 ハイチ全土には、大統領権限を引き継いだとするクロード・ジョゼフ(Claude Joseph)暫定首相によって「戒厳令」が敷かれている。

 治安判事が地元紙ルヌベリスト(Le Nouvelliste)に語ったところによると、モイーズ大統領は額や胸、臀部(でんぶ)や腹部などに12発撃たれた痕があった。使用された武器は大口径ライフルや9ミリ弾を使用する銃だという。

 事件で負傷したマルティーヌ・モイーズ(Martine Moise)大統領夫人は、地元の病院で治療を受けた後、ヘリコプターで米マイアミのライダー外傷センター(Ryder Trauma Center)に搬送された。ジョゼフ氏によれば、命の危機は脱し、「容体は安定している」という。

 治安判事によると襲撃当時、大統領夫妻の娘も私邸にいたが、寝室に隠れていた。また、邸内からは家事使用人2人が縛られた状態で見つかった。(c)AFP/Robenson GEFFRARD