【7月7日 AFP】中国のチャットアプリ「微信(WeChat、ウィーチャット)」で6日、主要大学のLGBTQ(性的少数者)団体の複数のアカウントが凍結された。検閲が懸念され、7日にはオンラインで抗議運動が呼び掛けられた。

 華中科技大学(Huazhong University of Science and Technology)の「ゲイ・プライド(Gay Pride)」や北京大学(Peking University)の「カラーズワールド(ColorsWorld)」といった団体のウィーチャットのページの過去の投稿が削除され、「すべてのコンテンツはアクセスがブロックされ、アカウントの使用は停止された」との通知に入れ替わった。規則違反だとしているが、具体的にどの規則なのかは触れていない。

 通知によると、ウィーチャットはこれら団体のページに「関連する報告」を受けた。また、一般公開されているアカウント履歴では、団体のアカウント名は6日に「無名アカウント」に変更されていた。

 中国のソーシャルメディアプラットフォームは、政治的に敏感あるいは不適切だとされる投稿の検閲を頻繁に行っている。動画配信アプリや外国映画に含まれるLGBTQ関連のコンテンツが、検閲の対象になったこともある。

 中国では1997年に同性愛が合法化されたが、同性婚は違法で、LGBTQ団体をめぐる問題はしばしば微妙なものとされる。

 AFPは、ウィーチャットを運営するIT大手の騰訊控股(テンセント、Tencent)にアカウント凍結の理由を問い合わせたが、これまでに回答は得られていない。

 凍結の影響を受けなかった複数のウィーチャット・ユーザーは7日、凍結されたアカウントのリストを公開。オンラインでの抗議運動を呼び掛け、利用者らにプロフィルの名前を「無名アカウント」に変更するよう求めた。

 こうした呼び掛けの多くは、7日正午までに削除された。(c)AFP