【7月7日 AFP】インドネシアでは6日、新型コロナウイルス感染による1日の死者数が過去最多の728人に上った。同国では病院が医療崩壊に陥っており、政府は隣国シンガポールからの非常用酸素の輸入を発表。同国を含む各国では現在、感染力の強い変異株「デルタ株」が猛威を振るっている。

 デルタ株については、これまで新型コロナウイルス感染予防で高い効果があるとされていたワクチンが効きにくい恐れが浮上。世界で最も早くワクチン接種を開始した国の一つであるイスラエルは5日、国内の感染者が増加していることから、接種に使用した米ファイザー(Pfizer)・独ビオンテック(BioNTech)製のワクチンが重症化や入院件数を減らす効果は高いものの、軽度の症状防止効果には劣る可能性があると警告した。

 インドネシアでは医療従事者約1000人が新型コロナウイルス感染症で死亡。このうち十数人は、規定回数のワクチン接種を済ませていた。インドネシア政府は6日、酸素濃縮器約1万台を隣国シンガポールから輸入すると発表。中国など他の国々とも支援について協議中だとした。

 同じく感染者が急増しているロシアでも、過去24時間の死者が過去最高の737人を記録。スペインのカタルーニャ(Catalonia)自治州では、ワクチン未接種の若者を中心に感染者が急増していることから、ナイトクラブ閉鎖などの対策の再導入を決めた。(c)AFP