【7月5日 AFP】ツール・ド・フランス(2021 Tour de France)に参戦するアルペシン・フェニックス(Alpecin-Fenix)のマチュー・ファン・デル・プール(Mathieu Van der Poel、オランダ)は4日、アルプス山脈(Alps)で総合首位陥落となったことを受け、今大会を棄権すると発表した。

 ツール初出場となったファン・デル・プールは、6日間にわたってマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を着用していたが、東京五輪のマウンテンバイク種目で金メダル獲得を目指すため、日本に向かうことになった。

 26歳のファン・デル・プールは「僕のツールはすでに成功した。(ゴール地点の)パリまでレースを続けたいしこの場所が好きだが、他の目標についても考えねばならない」とコメントし、「きょうのステージには出走しないとけさ決めた」と続けた。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)がなければ、両大会にフル参戦できる状態にまで上げられたかもしれないと述べたファン・デル・プールは、ファンに「来年はパリにたどり着くことを胸に描き戻ってくる」と約束した。

 同日には、先月28日に落車し、第8ステージでも35分遅れでのフィニッシュとなったチーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)もリタイアを表明した。

 昨年総合2位に入りながらも、今大会は第3ステージで集団落車に巻き込まれ、結果的にツール優勝という最大の目標が絶たれることになったログリッチは、第8ステージでUTE(UAE TEAM EMIRATES)の王者タデイ・ポガチャル(Tadej Pogacar、スロベニア)から大きく遅れてフィニッシュラインを切った。

 21日間にわたる大会の優勝候補の間に大きな影響が出た激動の1週目が終了し、元スキージャンパーの肩書を持つログリッチは「あのまま続けていても無意味」と述べた。

 あるスポーティング・ディレクターはAFPに対し、ログリッチのような落車に見舞われた場合、体への衝撃で回復には最低でも5日かかり、1週間は目覚めるときに板のように体が硬くなってしまうと明かした。(c)AFP/Damian MCCALL