【6月28日 AFP】ツール・ド・フランス(2021 Tour de France)は27日、第2ステージ(ペロスギレックからミュールドブルターニュゲルレダン、183.5キロメートル)が行われ、アルペシン・フェニックス(Alpecin–Fenix)のマチュー・ファン・デル・プール(Mathieu Van der Poel、オランダ)がステージ優勝を果たし、マイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を獲得した。

 26歳のファン・デル・プールは、地元フランスのファンから愛された故レイモン・プリドール(Raymond Poulidor)氏の孫に当たる。同氏は一度もマイヨ・ジョーヌを着用したことがないものの、ツールでは表彰台の常連だった。

 ツールで初のステージ優勝を果たしたファン・デル・プールは、ミュールドブルターニュ(Mur-de-Bretagne)の二つの坂道でプリドール氏の長年にわたるレガシーの重みから解放されたのか、アスファルトに倒れ込むと、両手で顔を覆いながら息を切らして涙を流した。

 2019年に83歳でこの世を去った祖父について、ファン・デル・プールは「もうここにはいない彼がどう感じているか想像してみてほしい」とコメントした。

「彼がここにいて、(ツール・ド・フランスの大会)スポンサーの黄色いシャツを着て、僕は首位のジャージーを着用して一緒に写真を撮れればよかったのに。彼がここにいてくれないのはとても悲しい」

 フランスのファンは、ドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)に所属する地元の英雄ジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe)がマイヨ・ジョーヌを奪われるのを目にしたが、やる気に満ちた情熱を見せ、愛された祖父を持つファン・デル・プールを応援した。

 山頂を2度にわたって首位で通過し、後続のメイン集団を引き離して勝利したファン・デル・プールは、最大18秒のボーナスタイムを獲得した。

 マウンテンバイクの世界王者でもあるファン・デル・プールは、イネオス・グレナディアーズ(Ineos Grenadiers)のトム・ピッドコック(Tom Pidcock、英国)と並び東京五輪の同種目金メダル候補と目されている。

 ファン・デル・プールは「僕にとって最大の目標は東京(五輪)だ。そのチャンスをここでふいにしたくない」と述べた。

 UTE(UAE TEAM EMIRATES)の前年覇者タデイ・ポガチャル(Tadej Pogacar、スロベニア)がステージ2位に入り、チーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)は同3位、アラフィリップは首位から8秒遅れで同5位となった。(c)AFP/Damian MCCALL