【7月1日 AFP】スポーツ仲裁裁判所(CAS)は30日、女子400メートルの現世界王者サルワ・イード・ナセル(Salwa Eid Naser、バーレーン)が反ドーピング規定に違反したとして2年間の資格停止処分を科した。

 CASはワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)の訴えを認め、連盟内部の不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」の懲戒裁判所が居場所情報を報告しなかったナセルを不問とした裁定を覆した。

 これによりナセルは、今月開幕する東京五輪に出場できなくなった。

 23歳のナセルは、2019年の第17回世界陸上ドーハ大会(17th IAAF World Championships in Athletics Doha)の女子400メートルで史上3番目のタイムを記録して世界を驚かせた。

 ナセルの48秒14より速いタイムは、東ドイツ(当時)のマリタ・コッホ(Marita Koch)氏とチェコスロバキア(当時)のヤルミラ・クラトフビロバ(Jarmila Kratochvilova)が1980年代に出した記録のみとなっている。

 ナセルは昨年6月、居場所情報の規則違反で暫定的な資格停止処分を受けたが、AIUの懲戒裁判所は10月、規則に違反していなかったと結論づけた。

 しかしCASはこの裁定を覆し、ナセルの資格停止期間が6月30日から始まると決定した。(c)AFP