【6月30日 AFP】サッカー欧州選手権(UEFA Euro 2020)は29日、決勝トーナメント1回戦の試合が行われ、イングランドはラヒーム・スターリング(Raheem Sterling)とハリー・ケイン(Harry Kane)が得点を挙げ、数十年にわたって苦汁をなめさせられてきた因縁のドイツを2-0で下し、準々決勝進出を決めた。

 英ロンドン、ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)での緊迫した一戦で、75分にスターリングのゴールで先制したイングランドはその後ケインが追加点を奪い、1966年のW杯(World Cup)の後では初めて、主要国際大会の決勝トーナメントでドイツから勝利を収めた。

 同大会の決勝でドイツを下してからの55年、イングランドはここぞの大一番で何度もドイツに敗れてきた苦い思い出がある。1970年、1990年、2010年のW杯でドイツの前に敗退となったイングランドは、同じくウェンブリーで開催された1996年の欧州選手権準決勝でも同国に敗れ、優勝を逃した。

 しかし、イングランドは、25年前の同大会でポール・ガスコイン(Paul Gascoigne)氏が流した涙、あるいは当時選手だったギャレス・サウスゲイト(Gareth Southgate)監督のPK失敗の亡霊をついに払いのけた。

 肝の据わったパフォーマンスを披露し、スターリングの今大会3得点目とケインの同初ゴールで勝利したここまで無失点のイングランドは、7月3日にイタリア・ローマで行われる準々決勝でウクライナと対戦する。

 1966年のW杯以来となるタイトルを目指すイングランドが入るドローの山は開かれている様子で、デンマークとチェコとのどちらかと対戦する可能性のある準決勝にイングランドの選手がおびえそうにはない。

 イングランドが欧州選手権の決勝トーナメントで勝利するのはこれが2度目で、ウェンブリーでドイツを下すのは1975年以来となった。(c)AFP/Steven GRIFFITHS