【6月30日 AFP】南アフリカの憲法裁判所(最高裁に相当)は29日、ジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)前大統領(79)に対し、法廷侮辱罪で禁錮1年3月を言い渡す歴史的判決を下した。汚職疑惑の調査委員会への出席を拒否した行為が「甚だしい」法廷侮辱に当たるとした。

 裁判所はズマ氏に対し、5日以内に警察に出頭するよう命じた。応じない場合は警察が身柄を拘束し、刑務所へ移送する。

 汚職調査に応じない元国家元首を禁錮刑に処した今回の判決は、南アフリカにとっては先例となり、他のアフリカ諸国にとっても一つの指針となる。

 憲法裁判所のシシ・カンペペ(Sisi Khampepe)判事は「法を超越する者はいない」と指摘。ズマ氏の行為は「司法の廉潔性、法の支配、憲法に対する甚だしい侮辱」だと述べた。

 ズマ氏は約9年間の大統領在任中に汚職疑惑が浮上。2018年2月、与党アフリカ民族会議(ANC)の圧力を受けて辞任した。

 その後、憲法裁副長官が率いる調査委員会への出席をたびたび拒否するなど汚職調査に協力せず、委員会側は法廷侮辱罪に当たるとして、憲法裁に介入を求めていた。(c)AFP