【6月30日 AFP】ロシア政府は29日、新型コロナウイルスによる1日の死者数が過去最多の652人に上ったと発表した。感染力の強い変異株「デルタ株」が世界各地で猛威を振るっており、オーストラリアでは4つの主要都市でロックダウン(都市封鎖)措置が取られる事態となっている。

 感染拡大を受け、サッカー欧州選手権(UEFA Euro 2020)や東京五輪など大規模スポーツイベントへの懸念が高まっている。ロシアでは、来月2日にサッカー欧州選手権準々決勝が行われるサンクトペテルブルク(St. Petersburg)でも1日の死者が過去最多の119人となった。

 ミハイル・ムラシコ(Mikhail Murashko)保健相によると、ロシアでは現在、15万1000人が新型ウイルスに感染し入院。また、ロシア大統領府のドミトリー・ぺスコフ(Dmitry Peskov)報道官は、今夏末までに人口の6割にワクチンを接種する政府目標を達成できないことを認めた。同国はワクチン懐疑論に対抗するため、一部の国民に対し接種を義務化する措置も取っている。

 オーストラリアでは、ワクチン接種ペースの遅さに国民が怒りを募らせている。デルタ株の感染拡大を受け、国内最大都市のシドニー、西部パース(Perth)、北部ダーウィン(Darwin)、東部ブリスベン(Brisbane)がロックダウン入りし、合計1000万人以上の住民が外出を制限された。これまでに2回のワクチン接種を完了した成人は5%にも満たないとされている。(c)AFP