【6月29日 AFP】英アストラゼネカ(AstraZeneca)製の新型コロナウイルスワクチンの2回目と3回目の接種を遅らせることにより、コロナウイルスに対する免疫力が高まったとの研究結果を英オックスフォード大学(Oxford University)が28日、発表した。同大学はアストラゼネカとワクチンを共同開発している。

 オックスフォード大学が発表した査読前の論文は、アストラゼネカ製ワクチンの1回目の接種から最長45週間の間隔を空けて2回目を接種すると、免疫力は低下するどころか、むしろ高まり、また2回目の接種から6か月以上経過してから3回目を接種すると、被験者の抗体は「有意な増加」を示し、免疫反応が「大いに高まった」としている。

 同大学で治験を主導するアンドルー・ポラード(Andrew Pollard)氏は、「ワクチンの供給量が少なく、2回目の接種が遅れることを懸念しているような国々を安心させる」結果だと主張し、2回目の接種が1回目から10か月後でも高い免疫反応が見られたと述べている。

 研究チームはまた、アストラゼネカ製ワクチンの2回目の接種から間隔が空いていても、3回目の接種で良好な結果が得られたとしている。ワクチン接種が進んでいる国々では、免疫効果を持続させるためのブースター(追加免疫)として3回目のワクチン接種が必要かどうかの検討がなされている。

 論文の主執筆者であるテレサ・ラム(Teresa Lambe)氏は、「免疫力の低下や、懸念される変異株への免疫力の増強のために、ブースターとして3回目を接種する必要があるかどうかは分かっていない」と指摘する。

 その一方で、今回の研究で「アストラゼネカ製ワクチンの忍容性が高く、抗体反応を有意に高めることが示された」と説明。「3回目の接種が必要と判断」された場合、心強い結果となると述べている。(c)AFP