【6月29日 AFP】ブラジルで28日、脱獄中に一家4人を殺害したとみられる男が20日間にわたる逃亡劇の末、警察に射殺された。

 当局の発表によると、ラザロ・バルボザ(Lazaro Barbosa)容疑者(32)は中部ゴイアス(Goias)州アグアスリンダス(Aguas Lindas)市郊外で発見された。追い詰められた容疑者は警察に向かって発砲し、警察が射殺した。

 ゴイアス州当局トップによると、バルボザ容疑者は病院搬送時には生きていたが、けがが元で死亡した。

 犯罪への厳罰を主張するジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領はツイッター(Twitter)で、「ラザロ(バルボザ容疑者)によるテロを終わらせた英雄たちに感謝する。ラザロは男女を辱め、冷酷に殺害した。(中略)良き家族を脅かす犯罪者が1人減った」と投稿した。

 ゴイアス州と接する北東部バイア(Bahia)州出身のバルボザ容疑者は、2011年に強盗とレイプの罪で収監されたが2016年に脱獄し、2018年に捕らえられた。今回再び、アグアスリンダスの刑務所から脱獄した。

 アグアスリンダスから約65キロ離れたゴイアス州コカルジーニョデゴイアス(Cocalzinho de Goias)郊外では今月9日、一家4人が刃物で殺害されているのが見つかった。バルボザ容疑者は最重要の指名手配犯となり、警官300人の他、警察犬やヘリコプター、ドローンによる捜索が行われた。

 首都ブラジリア西方の地方部での捜索は3週間近くに及び、国民はその進展にくぎ付けとなり、地元住民は恐怖に陥った。映画の悪役のようなバルボザ容疑者の外見と相まって、「ブラジリアの連続殺人鬼」に関するうわさや目撃情報が飛び交った。

 警察は先週、バルボザ容疑者を5日間かくまった疑いで農民1人を逮捕していた。(c)AFP