【6月29日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するアルピーヌ(Alpine F1)は28日、今週末に行われる第9戦オーストリアGP(Austrian Grand Prix 2021)に向けた練習走行に中国・上海出身の周冠宇(Zhou Guanyu、チョウ・グアンユー)が参加すると発表した。

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 周はフルタイムでは中国勢初のF1ドライバーを目指す22歳で、今季のフォーミュラ2(F2、FIA F2選手権)では総合首位に立っている。来月2日に行われる初めてのフリー走行では、2度の年間優勝を誇るフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)のマシンを借りることになった。

 すでにアルピーヌのテストドライバーを務めている周は、初めてF1のフリー走行でマシンを駆ることについて「夢がかなった」とコメント。「自分が小さかった時に、レースでキャリアを追求する刺激を与えてくれたフェルナンドのマシンを走らせるということで、より一層特別なものになるだろう」と付け加えた。

 F1の公式ウェブサイトによると、中国人ドライバーがF1で走行するのは、2012〜13年にHRT(イスパニア・レーシング、Hispania Racing Team)とケータハム(Caterham F1 Team)で練習走行に数回参加したマー・チンホワ(Qinghua Ma)以来となる。同選手は結局、F1でフルタイムのシートを確保することはできなかった。

 アルピーヌの最高経営責任者(CEO)を務めるローラン・ロッシ(Laurent Rossi)氏は、今回のセッションは将来有望な周のキャリアにおいて「重要なステップ」になると強調し、「フルタイムのF1シートを獲得するという究極の目標に向かって彼が着実に前進していく上で、この経験は大いに役立つだろう」と述べた。(c)AFP