【6月29日 AFP】サッカー元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏の死をめぐり、故殺(計画性のない殺人)容疑で他6人の医療関係者と共に捜査対象になっている主治医のレオポルド・ルケ(Leopoldo Luque)氏は28日、担当弁護士を通じて自身の責任を否定した。

 神経外科医のルケ氏らに対しては、マラドーナ氏が亡くなる直前に同氏への責任を怠ったとの主張が出ている。

 しかし、この日ブエノスアイレスでルケ氏と出廷した担当弁護士のフリオ・リバス(Julio Rivas)氏は、「ルケ氏にやましいことは一つもない」と検察に対して述べ、「彼の主張はシンプルだ。マラドーナ氏の健康を常に気にかけ、問題が起きて呼ばれるたびに駆けつけ、世話をしたということだ。彼はマラドーナ家の主治医だったが、在宅ケアは任されていなかった」と主張した。

 マラドーナ氏は脳血腫の除去手術を受けた2週間後の昨年11月、自宅のベッドで亡くなっているのが発見され、死因は心臓発作であることが判明している。

 同弁護士はまた、ルケ氏と共に疑惑が持たれている精神科医のアグスティナ・コサチョフ(Agustina Cosachov)氏についても言及し、マラドーナ氏の死に関して「アグスティナにもレオ(ルケ氏)にも何ら責任は見当たらない」と述べた。

 一方、医療チームの他のメンバーは、マラドーナ氏のケアを担当していたのはルケ氏とコサチョフ氏だったと主張している。

 マラドーナ氏の死に関する2週間の審問は、ルケ医師が最後となっている。7人は一人ずつ出廷し、無実を訴えた。今後は裁判官が裁判を命じるか判断するが、実際に行われれば判決が出るまでには数年かかる可能性がある。ルケ氏らは有罪の場合、禁錮8年から25年の可能性がある。(c)AFP