【6月28日 AFP】中国南西部に完成した、世界2位の発電能力を誇る白鶴灘(Baihetan)水力発電所が28日、操業を開始した。これについて中国政府は、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」目標の達成に向け大きな節目となったと称賛する一方、環境への悪影響を危惧する声もある。

 ダムの高さは289メートル。国営メディアは、同発電所の部分操業が28日朝に始まったと報じた。発電能力では同国の三峡ダム(Three Gorges Dam)に次ぐ世界2位となる。

 国営の中国中央テレビ(CCTV)の報道によると、白鶴灘水力発電所の発電能力は1600万キロワットで、フル稼働すれば50万人が1年間に必要とする電力を1日で発電できるという。

 習近平(Xi Jinping)国家主席は、同発電所が「炭素排出量を抑えてカーボンニュートラル目標を達成するため、さらなる貢献を果たす」ことに期待すると述べた。

 しかし環境保護団体は長年、このダムの建造により、希少な動植物の生息地が破壊されると警鐘を鳴らしている。(c)AFP