【6月28日 AFP】香港警察は27日、廃刊に追い込まれた民主派日刊紙「蘋果日報(アップル・デーリー、Apple Daily)」の主筆で、英語版ウェブサイトの主幹を務めていた馮偉光(Fung Wai-kong)氏を、香港国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕した。香港メディアが報じた。馮氏は出国しようとしていたところだったという。

 香港警察は、「外国政府または外国勢力と結託して国家安全保障を危険にさらした」容疑で、57歳の男を空港で逮捕したことを認めた。男の氏名を明らかにしてはいないが、地元メディアは馮氏だと報じている。

 香港の民主派を公然と支持してきた蘋果日報は、昨年施行された国安法に基づいて社主の黎智英(ジミー・ライ、Jimmy Lai)氏が逮捕・収監されたのに続き、会社の資産が凍結されたことで、24日付で廃刊に追い込まれた。

 国安法の下で逮捕された同紙関係者は、馮氏で7人目。

 香港警察はここ2週間で、同紙編集室を家宅捜索してコンピューターとサーバーを押収し、幹部5人を逮捕していた。

 香港記者協会(Hong Kong Journalists Association)は28日、蘋果日報の廃刊など近頃の動きによって、香港の報道の自由はほぼ完全に損なわれたとの声明を発表した。(c)AFP