【7月18日 AFP】新型コロナウイルスの世界的大流行で1年延期された32回目の夏季五輪、東京五輪が23日に開幕する。

 AFPスポーツが選んだ「五輪のレジェンド」シリーズ第4回。最終回の5人を紹介する。

■5大会連続金、不屈のボートマン、スティーブ・レッドグレーブ:ボート(英国)

 英国のボート選手スティーブ・レッドグレーブ(Steve Redgrave)は、1996年アトランタ大会で五輪4大会連続となる金メダルを獲得した。その際のコメントは、紛れもない引退宣言だった。「もしも私が再びボートに近寄るのを見たら、銃で撃ってもかまわない」

 しかし4年後の2000年、レッドグレーブは38歳の体にむちを打ち、シドニー大会で5度目の栄冠に輝く。糖尿病と診断され、さらに8年間にわたって潰瘍性大腸炎と闘った末だった。

 最終的には、1984年ロサンゼルス大会(かじ付きフォア)、1988年ソウル大会、1992年バルセロナ大会、1996年(かじなしペア)、2000年(かじなしフォア)を制した。5大会連続で五輪金メダルを獲得した選手は、持久系競技ではレッドグレーブだけだ。

■トラックの支配者、マイケル・ジョンソン:陸上(米国)

 米国の陸上選手マイケル・ジョンソン(Michael Johnson)は、20世紀最後の10年間、男子200メートルと400メートルで圧倒的な強さを見せた。五輪で金メダル4個を手にしたが、不運がなければもっと取れていたはずだ。

 400メートルで54レース不敗のまま臨んだ1992年バルセロナ大会は、食中毒のため準決勝で敗退した。

 2000年シドニー大会は、全米五輪選考会で肉離れを起こし、200メートルの出場権を逃した。五輪本番では、米国の4×400リレーチームの一員として優勝。だが8年後、チームメートだった故アントニオ・ペティグリュー(Antonio Pettigrew)が同時期にドーピングを行っていたことを告白したために、米国のメダルは剥奪された。

 それでも、ジョンソンは五輪で400メートルを2度制した唯一の男子スプリンターだ(1996年、2000年)。初めての金メダルはバルセロナの4×400メートルリレー。1996年アトランタ大会の200メートルは世界記録で勝利した。

■自由形の「魚雷」、イアン・ソープ:競泳(オーストラリア)

 オーストラリア人として最多の5個の五輪金メダルに輝いた競泳選手イアン・ソープ(Ian Thorpe)は、英語で魚雷を意味する「トーピード」をもじった「ソーピード(Thorpedo)」の愛称で知られる。

 2006年に24歳で競技引退するまで2度の五輪に出場。3個の金は、出身地シドニーで開催された2000年大会で獲得(男子400メートル自由形、4×200メートルと4×100メートルの自由形リレー)、残る2個は4年後の2004年アテネ大会でのものだ(400メートル自由形、200メートル自由形)。200メートルでは米国のライバル、マイケル・フェルプス(Michael Phelps)を決勝で破った。

 五輪ではこの他、銀メダル3個と銅メダル1個も獲得した。その後、2012年ロンドン大会へ向けて復帰したものの予選で敗退、出場はかなわなかった。