【6月25日 AFP】欧州サッカー連盟(UEFA)は24日、同連盟が主催する全クラブ大会で採用されているアウェーゴールルールを2021-22シーズンから廃止し、延長戦とPK戦によって勝敗を決めると発表した。

 1965年に導入されたこのルールは、2試合方式の決勝トーナメントで合計スコアが並んだ場合に勝利チームを決定するために使用された。

 合計スコアが同じになった場合、来シーズンからは第2戦の後に15分間ハーフの延長戦が行われ、それでも決着がつかなければPK戦で勝敗を決することになる。

 これにより、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)やヨーロッパリーグ(UEFA Europa League)、ヨーロッパカンファレンスリーグ(UEFA Europa Conference League)、女子チャンピオンズリーグ(UEFA Women's Champions League)の試合では来季からアウェーゴールルールが採用されなくなった。

 UEFAのアレクサンデル・チェフェリン(Aleksander Ceferin)会長は、「アウェーゴールがより重要性を持つのはもはやふさわしくない」とコメントした。

 チェフェリン会長によれば、アウェーゴールルールによって近年、特に第1戦でホームチームが攻撃に消極的になっていたという。

 発表文の中でチェフェリン会長は「意見の一致はないが、指導者、ファン、サッカー界における利害関係者の多くがその公平さに疑問を呈しており、このルールの廃止を望んでいる」と続けた。

 約30年前、61パーセント対19パーセントだったホームチームとアウェーチームの勝利の割合は、近年では47パーセント対30パーセントになっているなど、その差は1970年代から徐々に減っており、統計的に見てもそうしたデータがUEFAの見解を裏付けている。

「ピッチの質の改善やピッチの大きさの統一化、スタジアムにおけるインフラの改良、高度なセキュリティー状態、レフェリーに対する配慮の強化(また、より最近ではGLT<ゴールラインテクノロジー>やVAR<ビデオ・アシスタント・レフェリー>といった技術サポートの導入)」を含めたさまざまな要因が、ホームアドバンテージが年々少なくなっているらしいという判断に影響を与えたとUEFAは述べた。

 UEFAによればこれら、そして他の要素が相まって「ホームとアウェーでプレーする境界線が曖昧」になったという。

 今シーズンのチャンピオンズリーグ準々決勝で、アウェーでの第1戦に3-2で勝利したパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)が、ホームでの第2戦に0-1で敗れながらも前年王者バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)を退けて突破したのは、アウェーゴールルールの恩恵を受けた顕著な例となっている。(c)AFP