【6月25日 CNS】中国では6月上旬に大学統一入学試験(通称・高考)が行われ、受験生は自分の点数に基づき志望大学を選ぶ時期を迎えている。最近は「プロのプランニング」「人工知能(AI)ビッグデータサービス」「マンツーマンカウンセリング」と言ったうたい文句で受験生をアドバイスするというサービスが数多くある。価格は数千〜数万元(約1万7107円~17万1070円)が多く、10万元(約171万円)に達するものもあるが、実体を伴わない業者もいる。

 日本ではセンター試験の後に各大学の入試があるが、中国の試験は高考のみの一発勝負。受験生はその点数を基に、第一志望から順番に大学をリストアップして申し込む。ただ、各大学は受験生の出身地ごとに細かく定員数を分けている上、その時々で各大学の人気・不人気がある。うまく志望リストを作らないと、点数に見合わない大学にしか入れない可能性がある。第一志望の大学に入るには「試験結果が3割、申し込み方法が7割」とまで言われ、志望校選びの「アドバイスビジネス」も花盛りとなっている。受験生よりも、「子どもの人生を台無しにしたくない」と保護者の関心が高いほどだ。

 しかし、業界のサービスレベルはバラバラなのが実情だ。アドバイザーが自分の経歴を偽造していることもあれば、データがいいかげんだったり、特定の私立大学と結託して受験生をだましたりすることがある。その結果、保護者が大金を無駄にするだけでなく、受験生の将来にも悪影響を与えることになる。

 こうした業界には統一基準がないため、政府の教育部門が資格制度を導入し、不正を取り締まる監督機関の設置を急ぐ必要がある。また、受験生は自分が学びたい専攻を明確にし、自分の意思で志望校を決める姿勢が求められている。(c)CNS-中国青年報/JCM/AFPBB News