【6月24日 AFP】米ニューヨーク州バファロー(Buffalo)で、同国の大都市で約60年ぶりとなる社会主義者の市長が誕生する見通しとなった。米メディアが23日、報じた。

 看護師で地域社会活動家のインディア・ウォルトン(India Walton)氏(38)は、22日に行われたバファロー市長選の民主党予備選挙で、4期目を務める現職のバイロン・ブラウン(Byron Brown)市長(62)に大差をつけて勝利した。

 開票がほぼ終了した時点での得票率は、ウォルトン氏52%、ブラウン氏44%だった。

 人口約25万5000人のバファローでは、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領の民主党が圧倒的な支持を得ている。11月2日の市長選は、共和党が候補者を立てていないことから、ウォルトン氏の当選が確実視されている。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)とNBCCNNによると、ウォルトン氏が当選すれば、大都市としては、1948~60年にウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee)市長を務めたフランク・ザイドラー(Frank Zeidler)氏以来となる社会主義者の市長になる。

 ウォルトン氏は、透明性向上を目指した市警改革、家賃の上限規制の導入、地域の公的銀行の創設などを提案している。

 ウォルトン氏は、米最大の社会主義団体「米民主的社会主義者(DSA)」と左派の労働家族党(Working Families Party)の推薦を受けている。

 米国の民主社会主義運動は2018年以降、アレクサンドリア・オカシオコルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)氏ら4人を連邦議会下院選で当選させている。DSAは共和党から共産主義者とレッテルを貼られることが多いが、むしろ西欧の社会主義に似ており、自由市場の原理も受け入れている。(c)AFP