【6月24日 AFP】紛争が続くエチオピア北部ティグレ(Tigray)州で22日、市場が空爆を受け、数十人が死傷した。目撃者や医療関係者が23日、AFPに明らかにした。同州で7か月前から続く紛争は再び激化の様相を呈している。

 空爆を受けたのは同州トゴガ(Togoga)の市場。隣接する自宅が破壊された女性は「大勢の死傷者」が出たと明かし、「そうした人々の上や血の中を歩いた」と語った。

 30キロ離れた州都メケレ(Mekele)にある病院の救急隊員は、これまでに幼い子ども3人を含む負傷者6人が同院に搬送されたと説明。トゴガにはさらに負傷者が45人いるが、町を出ることを兵士らに阻まれているため「死の危険がある」と語った。救急車の運転手も、兵士らによってトゴガ入りを阻止されたと話した。

 AFPは今回の攻撃について、ティグレ州政府とエチオピア軍にコメントを求めたが、回答は得られていない。

 21日にはエチオピア各地で選挙が実施され、現在も票の集計が進んでいる。ティグレ州では紛争が続いていることから投票が行われなかった。空爆に先立ち、州内の一部地域で反政府組織が勢力を拡大しているとの情報が伝えられていた。

 アビー・アハメド(Abiy Ahmed)首相は昨年11月、政府と対立するティグレ州の与党「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」を制圧するため、同州に派兵。同州では以後、武力衝突が続いている。支援団体は、戦闘により同州の約35万人に飢饉(ききん)の恐れが出ていると指摘しているが、政府はこの見解を否定している。(c)AFP