■米共和党の政争具

「うちの子たちは、いつも人種差別の話をする」とリースバーグの集会で40代の白人女性が匿名で語った。「学校から持ち込まれたもので、やめるべきだ」とし、「責めることで問題解決はできない」と主張した。

 一方、集会に異を唱える人もいた。白人女性リズ・キャロル(Liz Carroll)さんは、「白人至上主義は現実だ」と書かれたカウンターデモのプラカードを掲げていた。

 隣人たちが、学校当局の会合を妨害し、署名をし、抗議し、訴訟を起こし、保守メディアのインタビューで立場を主張しているが、恥ずべきことだとキャロルさんは言う。

 全米各地で緊張が続く。先月、ニューヨーク州ロングアイランド(Long Island)の高校の集会で生徒らが、カリキュラムで扱う本の作者にもっと有色人種を加えてほしいと要求したところ、聴衆と激論になった。

 ニュージャージー州の私立高校では、学校側が反人種差別教育の一環で、生徒に「特権的な地位か被害者の立場」のいずれかを選ばせた。これに抗議して教師が辞職した。

「批判的人種理論を批判する人のほとんどが、それを読んだことがない」と嘆くのは、バージニア州の大学の教育学教授ジャメル・ドナー(Jamel Donnor)氏。「共和党は支持層を活気づけるために、こういう厄介な論争が必要なのだ」と語った。 (c)AFP/Charlotte PLANTIVE