ヤストレムスカへのドーピング処分、ITFが撤回
発信地:パリ/フランス
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【6月23日 AFP】国際テニス連盟(ITF)は22日、薬物違反による出場停止処分を科されたダイアナ・ヤストレムスカ(Dayana Yastremska、ウクライナ)について、同選手からの訴えを認めて処分を取り下げた。
2020年末の時点で、世界ランキング29位だった21歳のヤストレムスカは、同年11月の抜き打ち検査で採取された検体から、禁止薬物のアナボリックステロイド(筋肉増強剤)で、男性の不妊治療に使うメステロロン(Mesterolone)代謝物が検出され、暫定的な出場停止処分を科された。
その後、今年1月に処分への異議を申し立てていたが、ITFの独立審議会は訴えを退け、ヤストレムスカは全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)に出場できなかった。
しかし、今回行われた2回目の聴聞を経て、審議会は「メステロロンが体内に入った経緯に関するヤストレムスカ氏の説明を受け入れ、今回の違反における同氏の責任および過失はなかったと判断した」と発表した。
処分は即時撤回され、今後は「違反による出場停止期間を消化する必要はない」という。
世界反ドーピング機関(WADA)とウクライナの反ドーピング機関は、今回の裁定に対してスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議を申し立てることができる。
ヤストレムスカはこれまでにツアー3勝を挙げ、四大大会(グランドスラム)では2019年に行われたウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)の4回戦進出が最高成績となっている。(c)AFP