違法に持ち出された考古遺物800点、イタリアに「帰還」
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【6月22日 AFP】イタリア当局は21日、違法に集められた紀元前3~6世紀の考古遺物数百点、1100万ユーロ(約14億円)相当を、ベルギーの収集家から取り戻したと発表した。
文化財捜査を担当する警察軍(カラビニエリ、Carabinieri)によると、石板や両取っ手付きのつぼなどの「非常に珍しく、計り知れない価値のある」遺物約800点は、南東端にあるプーリア(Apulia)州でひそかに発掘されたものだという。
捜査は2017年、欧州の美術カタログに掲載されていた「ベルギーの裕福な収集家」が所有する石板の装飾が、イタリア南部にある博物館が所蔵する断片の装飾と酷似していることにプーリア州の考古学研究所が気付いたことから始まった。
ベルギー人収集家が所有していた石板は中央部分が欠けていたが、博物館所蔵の断片と合わせると、馬に乗った戦士と盾を描いた図柄がよみがえった。
警察当局は、「捜査の過程で、真の『考古学的な宝』であるアプリアの陶器やダウニアの石板など数百点を回収した。すべてイタリアから不法に持ち出されたもので、ベルギーで押収された」と発表した。収集家が起こした訴訟すべてが退けられたことで、イタリアへの返還が実現したという。(c)AFP