【5月19日 AFP】イタリア警察は18日、1970年代に古代ローマの邸宅跡から盗まれたフレスコ画6点が、ポンペイ考古学公園(Archaeological Park of Pompeii)に戻ってきたと発表した。

 女性の踊り子や女性の顔、天使が描かれたフレスコ画3点はもともと、ポンペイの主要発掘現場から数キロ離れたスタビア(Stabia)にある、古代ローマ時代の邸宅跡2か所で発見された。1970年代に盗まれて国外に持ち出され、米国とスイス、英国のコレクターに売られたとみられている。

 警察軍カラビニエリ(Carabinieri)の美術遺産保護部隊は、「考古学的な遺物の国際的な不正取引に関する大規模捜査」の一環で、昨年、この3点を押収したと明らかにした。

 残りの3点は、2012年にポンペイの北西約700メートルにある住宅遺構「チビタ・ジュリアーナ(Civita Giuliana)」の違法発掘現場で警察が発見した。

 チビタ・ジュリアーナはそれ以来、当局の管轄下に置かれている。昨年には、西暦79年のベズビオ火山(Mount Vesuvius)噴火による犠牲者2人の遺体が発掘された。2人は若い奴隷とその主人とみられている。

 イタリア南部のナポリ(Naples)近郊にあるポンペイは、ベズビオ火山の噴火で街ごと灰に埋もれて消滅した。(c)AFP