【6月22日 AFP】動画で命の危険を訴えたアラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長の娘ラティファ(Latifa)王女(35)を、スペイン・マドリードの空港で撮影したとされる写真が21日、公開された。

 英BBCは今年2月、ラティファ王女が、監禁状態にあり、命の危険にさらされていると訴える動画を公開した。これを受け、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、スイス・ジュネーブに駐在するUAEの外交団に対し、王女の生存の証拠を求めた。

 ラティファ王女は2018年3月に友人の助けを借り、ヨットで国外脱出を試みたが失敗。以来、公の場に姿を現していない。

 ドバイはUAEの七つの首長国の一つで、ムハンマド・ビン・ラシド・マクトム(Mohammed bin Rashid al-Maktoum)首長は、UAEの副大統領と首相を兼任している。

 あるSNSアカウントで公開された写真には、空港の滑走路近くでマスクをした2人の女性が並んで写っており、キャプションには「ラティファと欧州での素晴らしい休日。楽しく探検している!」と書かれている。

 コメント欄には、マドリードのバラハス(Barajas)空港で撮影された写真かという問いが寄せられ、アカウントの主は「その通り」と答えている。

 写真が公開されたアカウントについて英メディアは、元英海軍兵士のシオネッド・テイラー(Sioned Taylor)という女性のものとしている。

 なお、AFPはこの写真が本物かどうかや撮影日時を確認できていない。ドバイ当局に写真に関するコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。

 同アカウントでは先月、レストランと、ドバイのショッピングモールでラティファ王女を撮影したとされる写真2枚が公開されていた。BBCによると、王女の友人らは、ショッピングモールの写真に写っている女性2人について、王女の知人だと語っている。

 ラティファ王女の自由を求めて活動してきた在ロンドンの団体「フリー・ラティファ(Free Latifa)」は今回公開された写真について、励みになると語っている。

 同団体の共同創設者のデービッド・ヘーグ(David Haigh)氏は文書で、「ラティファがパスポートを持ち、旅行をして、より多くの自由を楽しんでいるように見えることをうれしく思う。非常に大きな前進だ」と述べた。「また団体のメンバーの何人かが、ラティファから直接連絡を受けたことも確認している」 (c)AFP