【6月21日 AFP】香港国家安全維持法(国安法)に基づき資産を凍結された民主派の香港紙「蘋果日報(アップル・デーリー、Apple Daily)」は21日、事業停止の判断を25日の取締役会で決定することを明らかにした。

 発表に先立ち、社主の黎智英(ジミー・ライ、Jimmy Lai)氏の側近、マーク・サイモン(Mark Simon)氏が、資産凍結により従業員の給与支払いができず、事業活動ができない状況にあると述べていた。

 蘋果日報は、香港民主派の抗議デモを公然と支持し、独裁的な中国指導部を痛烈に批判するなど、中国政府にとっては長年、目ざわりな存在だった。だが、昨年施行された国安法への違反を問われ、黎氏は現在収監中。編集長と最高経営責任者(CEO)も拘束され、資産は凍結された。

 サイモン氏は21日、米CNNに「われわれの問題は(資金不足ではなく)、公安と警察のせいで、記者や従業員、取引先への支払いができないことだ。銀行口座が凍結されている」と話した。

 林文宗(Lam Man-chun)同紙執行編集者はAFPの取材に対し、21日に取締役会を開き、今後の方針を協議すると述べていた。

 香港メディアのナウテレビ(Now TV)と東方日報(Oriental Daily)は情報筋の話として、蘋果日報の取締役会は事業停止をほぼ決定したと伝えている。(c)AFP