【6月20日 AFP】ロシアの首都モスクワで19日、新型コロナウイルスの新規感染者数が2日連続で過去最多となった。サッカー欧州選手権(UEFA Euro 2020)の試合が開催されるサンクトペテルブルク(St. Petersburg)は、感染対策のため新たな規制を導入した。

 政府の統計によると、モスクワで24時間に確認された新規感染者は9120人で、前日の9056人を超え、2日連続で過去最多を記録した。市内の病院は感染力が強い変異株「デルタ株」の感染者であふれた。

 モスクワのセルゲイ・ソビャニン(Sergei Sobyanin)市長によると、同市での新規感染のうち、インドで最初に確認されたデルタ株による感染はほぼ9割を占める。1日の新規感染者数は2週間前、3000人だった。

 ロシア全国で24時間に確認された新規感染者数は1万7906人、死亡者は466人。うち76人はモスクワで確認された。全国の新規感染者と死者の数は3月13日以降で最多となった。

 モスクワに次いで感染が拡大しているロシア第2の都市サンクトペテルブルクでは、サッカー欧州選手権の試合が複数開催され、7月2日には準々決勝も行われる予定になっており、欧州のサッカーファンが詰め掛けると予想されている。

 サンクトペテルブルク市は19日、コニュシェンナヤ広場(Konyushenaya Square)にあるサッカー欧州選手権の主なファンゾーンについて、入場者数の上限をこれまでの5000人から3000人に引き下げた。ファンゾーンでの食品販売はすでに禁止されている。

 モスクワではさらに強い措置が講じられており、ソビャニン市長は18日、サッカー欧州選手権のファンゾーンを閉鎖するとともに大規模集会の参加者数を1000人までに制限し、あらゆる大規模娯楽イベントの開催を一時的に見送り、ダンスホールなどを閉鎖すると発表した。(c)AFP/Evan GERSHKOVICH