【6月19日 CNS】中国では最近、中古3C製品(Computerパソコン等、Communicationスマホ等、Consumer electronics家電等)の取引に力を入れていたある企業が海外IPOに乗り出したことで、「遊休品経済」が再び業界の注目を集めている。モバイルインターネットの発達により、自宅の遊休品をネットで取引することは、多くの若い消費者の選択肢となり、家のスペースを節約できるだけでなく、家計を補うこともなる。

 企業データ専門の天眼査のデータによると、中国には現在84万社以上の遊休関連企業があり、69%が過去5年の内に設立された。注目すべきは、すでに5年連続で遊休関連企業が10万社以上増え、そのうち2020年には19万社以上も増えたことだ。5月30日の時点で、今年の新規遊休関連企業は9万社近く増え、前年同期比17%増となった。

 中古品取引プラットフォームの拡大に伴い、現在のプラットフォームで取引されるモノは、従来の衣類や家具、電気製品から電子製品、ゲーム機器などへと拡大している。さらに多くの都市廃棄物処理コストが上昇しているため、「家の半分」が拾われた物でできたことも珍しくなく、消費者にとっては、無駄に捨てるよりもネットで売ったほうがよい。

 しかし、現在の中古品取引プラットフォームでは、消費者のニーズに応えることが既に難しくなっている。現在の中古品取引プラットフォームはC2Cの取引が多く、消費者は自分で買い手を探す必要がある。信頼性の問題や買い手探しのコストの他、買い手一人への送料も安くはない。もう1つ無視できないのは、若い消費者はファッションが好きで、手元にある旬の過ぎた商品は、買い手を見つけるのも容易ではないことだ。

 中古品取引プラットフォームが注目すべき外部環境の変化は、人口の高齢化傾向だ。若者より収入が安定し、蓄積したモノが多い高齢者は、「古いものに別れを告げて新しいものを迎える」ためにも中古市場が必要だ。また、高齢者が亡くなってしまうと、相続者がさまざまな中古品も相続される、一つ一つネットで販売するのは、在庫や物流コストがかかるばかりで、煩わしいことかもしれない。

 多くの先進国では、すでにこのようなことに対応するビジネスモデルがあるが、中国ではまだ空白だ。言い換えれば、シルバー市場は「遊休品経済」が次に狙うブルーオーシャンだ。

 しかし、シルバー市場は独自の特殊性がある。一方で高齢者のインターネットの利用レベルは高くない。そのほか、中古品の構成は比較的複雑で、これは「遊休品経済」を必要とするB2CとC2B市場を開拓し、企業の購入と販売の形で解決する。現在、中古品取引プラットフォームがB2C事業を展開し始めているが、規模や範囲はまだ拡大していく必要があり、特にシルバー市場への浸透が期待される。(c)CNS-工人日報/JCM/AFPBB News