【6月18日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は、今週スイスで初の首脳会談を行ったロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に、自身のトレードマークにもなっている米軍御用達のパイロット用サングラスを贈呈した。

 米ランドルフエンジニアリング(Randolph Engineering)のピーター・バスケビッチ(Peter Waszkiewicz)最高経営責任者(CEO)は、世界中の注目を集めた首脳会談で、自社のサングラスが外交上の贈り物となったことに「驚いた」と語った。

「いつも通りの営業日だったが、昼過ぎに電話が鳴り始め、ソーシャルメディアが騒がしくなった。何が起きているのか判明したのは、その後だ」と、バスケビッチ氏はAFPに話した。「かなり緊張したし、興奮した」という。

「とても素晴らしいことだ。こんな機会はめったにないだろう」

 1973年創業のランドルフは、米北東部マサチューセッツ州の小さな町で「ハンドメードインUSA」を掲げ、信頼性の高さを売りにした商品を製造している。1978年から米軍と契約しており、毎月約2万5000本のサングラスを納入する。

 同社のサングラスは、1980年代に映画『トップガン(Top Gun)』で主人公のパイロットを演じたトム・クルーズ(Tom Cruise)さんが着用したことで有名になり、全米で一般向けにも販売されるようになった。

 プーチン大統領に贈られたのは、20世紀を代表する超音速機にちなみ「コンコルド(Concorde)」と名付けられたモデル。6週間をかけ、200工程を経て製造されている。ランドルフのウェブサイトでは、偏光レンズ搭載のマットブラックタイプが1本279ドル(約3万円)で販売されている。

「バイデン大統領はきっと、米国の伝統の象徴としてこのサングラスをプーチン大統領に贈ったのだろう」とバスケビッチ氏は述べ、「それが平和の象徴であることを願おう」と付け加えた。(c)AFP