【6月18日 AFP】陸上女子中距離のシェルビー・フーリハン(Shelby Houlihan、米国)は、昨年のドーピング検査で禁止薬物に陽性反応を示したとして4年間の資格停止処分を受けていたが、東京五輪に向けた米国の代表選考会に出場することが認められた。関係者が17日に明らかにした。

 メキシコ料理のフードトラック(キッチンカー)で購入したブリトーが薬物陽性の原因だったと主張していたフーリハンは、米オレゴン州ユージーン(Eugene)のヘイワード・フィールド(Hayward Field)で18日に始まる代表選考会で、女子1500メートル予選のスタートリストに名を連ねた。

 同種目と5000メートルの米国記録保持者で現在28歳の同選手は、検査結果が今週公にされたことを受けて猛反発し、処分撤回を求めてあらゆる法的手段に訴えることを宣言。

 全米陸上競技連盟(USATF)は同日、フーリハンの名前は出さなかったものの、異議申し立て中の場合はどのアスリートも競技への参加が認められると発表した。

 昨年12月の検査で禁止薬物のナンドロロン(nandrolone)が検出されたフーリハンは、検査前日の夜にオレゴン州にある自宅近くの屋台で買ったポークブリトーが汚染されていたと主張。反ドーピングの独立機関である不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」は、今年1月に陽性の結果を同選手に伝えており、その後暫定処分が下された。

 今月11日にはスイスに拠点を置くスポーツ仲裁裁判所(CAS)が、処分内容を支持する裁定をフーリハンに通達。今回のケースはすでに国際スポーツの問題解決に関して最も高い権限を持つCASで審理されていることから、同選手に残された唯一の手段はスイス連邦最高裁判所に訴えることとなっている。(c)AFP