【6月17日 AFP】ナイジェリアのイスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」は、指導者アブバカル・シェカウ(Abubakar Shekau)容疑者が対立する過激派組織との抗争で死亡したと認めた。新指導者とみられる人物が、ビデオメッセージで明らかにした。

 ボコ・ハラムのバクラ・モドゥ(Bakura Modu)最高指揮官は、アラビア語の短い動画で、シェカウ容疑者は死亡したが、引き続き忠誠を尽くすようボコ・ハラムの指揮官らに呼び掛けた。動画の撮影日は不明。

 動画には、武装して整列した多数の戦闘員を両脇に従え、カメラに向かって演説するモドゥ最高指揮官が映っていた。イスラム過激派組織は以前から、新指導者をこのような方法で発表してきた。

 モドゥ最高指揮官は、ボコ・ハラムの指揮官らに、対立する「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」の指導者アブムサブ・バルナウィ(Abu Musab al-Barnawi)師の誘いに乗らないように呼び掛けた。

 情報機関筋によると、先月にシェカウ容疑者の死亡が初めて報じられると、ボコ・ハラムとISWAPの抗争は激化。ISWAP側は、ボコ・ハラムの指揮官らに投降して仲間になるよう呼び掛け、拒否すれば攻撃したという。

 治安筋によると、シェカウ容疑者は先月、北東部ボルノ(Borno)州の拠点でイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系の対立組織の攻撃を受け、降伏せずに自殺したという。

 バルナウィ師は今月、ISWAPの戦闘員に追われたシェカウ容疑者が自殺したと主張する音声メッセージを出していた。

 ISWAPは、イスラム教徒の民間人を無差別に標的にし、女性を自爆要員として使うシェカウ容疑者のやり方に反発し、2016年にボコ・ハラムから分派した。(c)AFP/Aminu ABUBAKAR