【6月16日 AFP】安楽死を禁じる法律に抗議して昨年、2度のハンガーストライキを行った末期患者のフランス人男性が、スイスで医師のほう助を受け自殺した。親しい友人や家族が15日、明らかにした。

 58歳だったアラン・コック(Alain Cocq)さんは、友人が配布したエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領宛ての公開書簡で「自殺ほう助の一環として行われた私の尊厳ある死をお知らせしたい」と記している。

 コックさんは動脈壁が癒着するという痛みを伴う難病を患い、近年、何度か手術を受けたが寝たきりになっていた。

 コックさんの広報役を務めた友人で弁護士のソフィー・メジェベル(Sophie Medjeberg)氏はフェイスブック(Facebook)で、「アラン・コック氏はけさ11時20分、スイス・ベルンで本人の希望通り、尊厳をもって亡くなった」と発表した。

 また弁護士のフランソワ・ランベール(Francois Lambert)氏は、「錠剤を飲み、あっという間だった。望んだように死を迎えることができ、非常に良かった」と語った。

 同弁護士はフランスの世論を二分する裁判を起こしたバンサン・ランベール(Vincent Lambert)さんのおいでもある。ランベールさんは昨年、医師らが生命維持装置を取り外して亡くなった。

 フランスの法律では、病気やけがで末期状態にある患者やその家族が、人生を終わらせるために深い鎮静を求める、いわゆる「受動的安楽死」のみが認められている。(c)AFP