【6月16日 AFP】米大リーグ機構(MLB)は15日、公平なプレー環境をつくるための取り締まり策の一環として、ボールの回転数を上げたり、コントロールを良くしたりするために粘着物質を使った投手に対し、10試合の出場停止処分を科すなどの新ルールを発表した。

 大リーグでは今季、打者の打率が下がる一方で三振率は上がっており、投手の粘着物質の使用に厳しい目が向けられていた。その中でロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーは15日、調査の結果、多くの選手が粘着物質を使っていることが分かったため、今後はボールの状態を変える投手やチームスタッフに対し、リーグとして厳しい対応を取っていくと発表した。

 新しいルールでは、先発投手は1試合に数回、2番手以降の投手は最低1回、ルールに従っているかのチェックを受けることになる。

 リーグが行った調査では、粘着物質はボールの回転数や動きを大幅に改善させ、投手を有利にすることが分かっている。

 そして2週間前にリーグが調査を行っていることを各チームに伝えると、ボールの回転数は下がって打撃成績は向上した。回転数が下がった中には、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)のトレバー・バウアー(Trevor Bauer)やニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のゲリット・コール(Gerrit Cole)ら、リーグを代表する投手もいた。

 一方でマンフレッド氏は、今回のルールは「特定の選手やチーム」を標的にしたり、悪者にしたりするためのものではないと強調している。

 またリーグは、新ルールは投手だけに適用されるものではなく、野手もボールに粘着物質を使っていることが発覚した場合には、退場と出場停止の処分が下るとしている。(c)AFP