【5月21日 AFP】米大リーグ(MLB)、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)のエース、クレイトン・カーショウ(Clayton Kershaw)投手が、今シーズンのMLBでノーヒッター達成が激増しているのは喜べないとの思いを語った。

 今季のMLBでは開幕からわずか49日で計6人のノーヒッター投手が誕生し、歴代1位のシーズン最多8人を記録した1884年を上回るペースとなっているほか、近代で最多となっている1990年、1991年、2012年、2015年の計7人に並ぶまであと1人と迫っている。

 2014年のコロラド・ロッキーズ(Colorado Rockies)戦で自身もノーヒットノーランを達成しているカーショウは、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のコーリー・クルーバー(Corey Kluber)投手が19日の試合で今季6人目にしてリーグで2日連続となるノーヒッターを成し遂げた後、「これは良くないと言えるだろう」と語った。

 そして「ノーヒッターは素晴らしいことだし、その快挙を達成したクルーバーたち全員をリスペクトしている」としながらも、「だけど、毎晩それが起こっているのは、この競技にとって良くないことかもしれない」と述べた。

 カーショウの見解は、好投以上の要素がノーヒッター量産につながっていることを認めるものとなっており、実際に要因を突き止める動きが始まっている。

 最近は投手陣のパワーピッチングが重視されていることに加え、打撃陣は三振を恐れず打ちに行く姿勢を見せている。

 今季のMLBでは実際に三振率が非常に高く、攻撃力が全体的に落ち込む中で、打者の平均打率は歴代ワーストの.236となっている。また、本塁打数は過去最高となった2019年の1試合平均1.39本から今年は同1.14本に減少。その要因の一部は、MLBが今季から球の重さを約3グラム軽くし、打球の飛距離がこれまでよりわずかに伸びなくなっていることにある。

 しかしカーショウは、球のマイナーチェンジによるパワーの均衡は「的外れ」であると指摘し、「本塁打数が減少しているようだし、それがリーグの目的だと推測するが、4月の打撃は史上最低レベルの成績になっている」と語った。(c)AFP