【6月15日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)は14日、首脳会議を開き、中国の強硬政策がもたらす「体制上の挑戦」に連携して対抗する方針を宣言するとともに、ロシアによる国際法の軽視に警告を発した。

 NATO首脳会議にはジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領が初めて出席し、米欧関係の重要性を再確認。加盟各国は、幅広い分野に言及した共同声明を出した。

 声明は、核兵器や宇宙・サイバー分野での攻撃能力を増強するなどして強引さを増す中国の振る舞いが国際秩序を脅かすと指摘。16日にバイデン氏との首脳会談を控えたロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対しても、早々に「平常」に戻ることはないと忠告した。

 また、NATOの東部境界地域におけるロシアの軍備増強や挑発的な行動が、「欧州・大西洋地域の安全をますます脅かし、NATOの境界線やそれを超えた地域での情勢不安を助長している」と主張。ジョージア、モルドバ、ウクライナの領土保全への支持を再確認し、ロシア政府に対して「各国の同意なしに駐留させていた軍隊を全3か国から撤退させる」よう要求した。

 NATOのイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は、バイデン氏のNATOへの積極関与を歓迎。ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米政権との間で起きた関係悪化と暗に対比した。(c)AFP/Max DELANY / Jerome CARTILLIER