【6月12日 AFP】(更新)2021年の米ピュリツァー賞(Pulitzer Prize)が11日発表され、米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で昨年起きた白人警官による黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん殺害事件を動画で撮影したダーネラ・フレイジャー(Darnella Frazier)さん(18)が特別賞を受賞した。動画は世界中で人種差別への抗議運動を巻き起こした。

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 ピュリツァー賞は、米国の優れた報道などに贈られる賞で、ニューヨークのコロンビア大学(Columbia University)が運営。今年の発表はオンライン形式で行われた。

 フレイジャーさんの受賞理由は、「ジョージ・フロイドさんの殺害を勇敢に撮影したことで、警察の暴力に対する抗議運動を世界中に巻き起こし、ジャーナリストによる真実と正義の探究に市民が果たす重要な役割を浮き彫りにした」とされた。

 フロイドさん殺害事件は昨年5月25日に発生。今年4月には、元警官のデレク・ショービン(Derek Chauvin)被告が殺人罪で有罪評決を受けた。フレイジャーさんはショービン被告の公判で証言台にも立った。

 速報報道部門は、フロイドさん事件とその余波をめぐる報道で、ミネアポリスの地元紙スター・トリビューン(Star Tribune)が受賞。公益部門は、新型コロナウイルス流行に関する「勇敢で、先見性があり、広範囲にわたる報道」が評価されたニューヨーク・タイムズ(New York Times)が受賞した。

 国際報道部門は、中国がイスラム教徒大量拘束のために建設した収容所に関する報道で、ネットメディア「バズフィード(BuzzFeed)」が受賞。同メディア初のピュリツァー賞受賞となった。

 フィクション部門はルイーズ・アードリック(Louise Erdrich)氏著の「The Night Watchman」が受賞。ノンフィクション部門には、デービッド・ズッキーノ(David Zucchino)氏の「Wilmington's Lie: The Murderous Coup of 1898 and the Rise of White Supremacy」が選ばれた。(c)AFP