【6月11日 AFP】米国で終身刑を科され収監中のメキシコの麻薬王、ホアキン・グスマン(Joaquin Guzman、通称エル・チャポ〈El Chapo〉)受刑者(63)の妻が10日、夫の麻薬密輸のほう助などについて罪を認めた。

 グスマン受刑者の妻、エマ・コロネル・アイスプロ(Emma Coronel Aispuro)被告は米首都ワシントンで行われた裁判で、麻薬密輸やマネーロンダリング(資金洗浄)など3件すべてについて罪を認めた。

 コロネル被告は裁判官に問われるたびに、「有罪です」と3回答えた。9月15日に判決が言い渡される予定。最低でも禁錮15年、最高で終身刑が科される可能性があるが、罪を認めたことで刑期を短縮される可能性もある。

 米当局は2月、夫の麻薬密輸ビジネスを「ほう助」した疑いで、ワシントン郊外のダレス国際空港(Dulles International Airport)でコロネル被告を逮捕した。同被告は膨大な量のコカイン、メタンフェタミン、ヘロイン、マリフアナを米国へ密輸する取引を共謀した罪に問われている。

 夫のグスマン受刑者は、メキシコで悪名が高い麻薬組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」の元最高幹部で、2017年に米国に送還され、2年後に終身刑を言い渡された。

 コロネル被告は小さな町のミス・コンテストで優勝した翌年、グスマン受刑者と結婚した。米司法省によると、カルテルの活動に参加するようになったコロネル被告は、メキシコの刑務所からのグスマン受刑者の二つの脱獄計画にも協力したとされる。2015年の脱獄は、独房内のシャワースペースの下に掘られた長さ1.5キロのトンネルをバイクで逃走し、成功している。(c)AFP