【6月11日 AFP】競泳女子で二つの五輪銀メダルに輝くオーストラリアのマデリン・グローブス(Madeline Groves)が10日、「スポーツ界における女性蔑視の変質者と腰巾着」への反発として、東京五輪の代表選考会を辞退すると表明した。

【編集部おすすめ】ブラジル、五輪代表選手に反差別研修 初の試み

 2016年リオデジャネイロ五輪の女子200メートルバタフライと4×100メートルメドレーリレーで2位に入った26歳のグローブスは、12日に豪アデレード(Adelaide)で始まる五輪選考会を前に電撃的な決断を下し、「スポーツ界における女性蔑視の変質者と腰巾着全員に対して、これを教訓にさせる」と自身のインスタグラム(Instagram)アカウントに投稿した。

「選手たちを国の代表にして自分が毎年ボーナスを稼げるように、若い女性や少女たちを身体的に辱め、医学的に自分が正気ではないと思い込ませることは、もうこれ以上できなくなる。時間切れ」

 このコメントが誰に向けられたものかは定かではないものの、グローブスは昨年12月にも自身のツイッター(Twitter)アカウントで、「競泳界で働く一人の人間が、水着姿の私を見るその目で私を不愉快にさせている」と訴えていた。

 また、その数日後には匿名のコーチからの「身の毛のよだつようなコメント」に関して書き込んだが、約15分後には謝罪があったとして「彼はチームの心理学者から、そうするように言われたのかもしれない」とつづっていた。

 オーストラリア水泳連盟(Swimming Australia)は同年の発表文で、「競泳界に関連する人物からの虐待を示唆したツイートに関して聞き取りを行うべく、当連盟は2020年12月にマディー(グローブス)に連絡を入れた」と述べ、グローブスへの連絡を試みていると明かしていた。

 同連盟のキーレン・パーキンス(Kieren Perkins)会長は、グローブスが正式に苦情の申し立てを行っていないとし、同選手に連絡するよう促している。(c)AFP