【6月11日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2021)は10日、女子シングルス準決勝が行われ、世界ランク33位のバルボラ・クレイチコバ(Barbora Krejcikova、チェコ)は7-5、4-6、9-7で大会第17シードのマリア・サッカリ(Maria Sakkari、ギリシャ)を撃破し、決勝に進出した。

 決勝では第31シードのアナスタシア・パフリュチェンコワ(Anastasia Pavlyuchenkova、ロシア)と相まみえる25歳のクレイチコバは、ここ5年間のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)ではノーシードとして決勝に勝ち上がった4人目の女子選手となった。全仏では2018年に女子ダブルスを制しているものの、シングルスでは昨年の4回戦が最高成績となっている。

 クレイチコバは相手のマッチポイントを1本しのいだ試合を振り返り、「このような試合をずっと望んでいた。ジュニアとしてプレーしていた若手時代は、お互いにチャンスがあってとても良いプレーをする試合を常にしたいと思っていた」と話し、「きょう負けたとしても、戦い抜いた自分自身をとても誇りに思っていたはず。それが、ここでも人生においても最も重要なこと」と強調した。

 7-6でリードしていた第3セットの第14ゲームでは3本のマッチポイントを握りながらも、サッカリにバックハンドのウイナーやサービスエースでしのがれたクレイチコバは、続くサービスゲームを簡単にキープすると、次のゲームで再びマッチポイントをたぐり寄せた。

 この場面ではサッカリのフォアハンドがラインオーバーとコールされ、テレビのリプレー映像でも打球のアウトが確認されていたにもかかわらず、主審が判定を覆すというまさかの事態となった。

 それでもこの不運を引きずらなかったクレイチコバは、自身5本目のマッチポイントをバックハンドのウイナーでものにし、3時間18分にわたる死闘に決着をつけた。(c)AFP