【6月11日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は10日、米国が貧困国など世界92か国に新型コロナウイルスワクチン5億回分を寄付すると正式発表し、これを新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)との闘いにおける「歴史的な一歩」と呼んだ。

 バイデン氏は、先進7か国(G7)首脳会議(サミット)開幕を翌日に控えた英南西部コーンウォール(Cornwall)で記者団を前に演説し、「これは、できる限り多くの命を救うというわれわれの責任、人道上の義務にかかわることだ」と表明。変異株のリスクを考慮すれば、ワクチンの寄付は米国の利益にもなると述べた。

 バイデン氏によれば、他のG7構成国である英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本も今後、パンデミック収束に向けた措置を発表する見込み。いわゆる「ワクチン外交」はロシアと中国も展開しているが、ある米高官は、米国がワクチン寄付に対する何らかの見返りを求めているとの見方を否定している。(c)AFP