【6月10日 AFP】9日に行われた全仏オープンテニス(French Open 2021)、男子シングルス準々決勝のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)対マッテオ・ベレッティーニ(Matteo Berrettini、イタリア)戦で、新型コロナウイルスの影響に伴う夜間外出禁止令により5000人の観客が途中退席を余儀なくされ、試合が一時中断となる一幕があった。

 大会が行われている仏パリでは現在、午後11時以降の外出が禁止されており、この日は第1シードのジョコビッチが6-3、6-2、6-7(5-7)、3-2でリードした第4セット途中の午後11時直前に試合が中断となった。

 一部では「残るぞ」と合唱するファンの姿もあったが、最終的には折れてコート・フィリップ・シャトリエ(Court Philippe-Chatrier)を後にした。

 妻と子ども2人と試合を観戦していた男性は、「1試合に500ユーロ(約6万7000円)支払った。受け入れられない」と話し、「午後8時ではなく午後7時開始にするべきだった」と語った。

 この日は今大会10度目にして最後のナイトセッションだったが、新型ウイルス感染防止の規制が緩和され、夜間外出禁止の開始時間が午後9時から11時に変更されたことを受け、初めて観客を入れて試合が行われた。

 全仏オープンでは、主催者のフランステニス連盟(FFT)が米インターネット通販大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)と中継に関するパートナーシップを締結したため、今年から新たにナイトセッションが設けられていた。

 ジョコビッチは試合後、ファンが退席する間自身は控室に戻り、再開まで20分ほど時間が空いたことで「リズムをつかむのはあまり簡単ではなかった」と話したが、結局6-3、6-2、6-7(5-7)、7-5でべレッティーニを下し、4強入りを決めた。準決勝では13度の全仏優勝を誇るラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)と激突する。(c)AFP