【6月9日 AFP】キューバの首都ハバナにあるキューバ国立動物園(National Zoo of Cuba)で、野生では見られない希少なホワイトタイガーが一般公開されている。ホワイトタイガーの誕生は、同国では初。

 動物園では3月、ベンガルトラの雌のフィオナ(Fiona)と雄のガーフィールド(Garfield)の間にホワイトタイガーのヤネク(Yanek)をはじめ4頭の子どもが生まれた。ヤネクの他、雌2頭はメリッサ(Melissa)とガビー(Gaby)、雄1頭はミゲル(Miguel)と名付けられた。

 4頭は体重8~11キロに成長。ようやく一般公開が可能になったとして、専用プールで遊んだりする姿がお披露目された。動物園では毎日、肉をフィオナに10キロ、子どもたちに2キロずつ与えている。

 飼育員のアンヘル・コルデロ(Angel Cordero)さんは、「ホワイトタイガーがキューバで生まれるのは初めてのことで、非常にうれしい」と語った。キューバでトラが生まれたこと自体、約20年ぶりとなる。

 世界自然保護基金(WWF)は、野生のホワイトタイガーの存在は確認されておらず、世界で数十頭が飼育されているにすぎないとしている。

 ネコ科動物の保護・研究に取り組む米ミネソタ州のNPO、ワイルドキャット・サンクチュアリー(Wildcat Sanctuary)によると、ホワイトタイガーは両親から潜性遺伝子を受け継いだベンガルトラで、アルビノ(先天性色素欠乏症)や別の種ではない。

 WWFによると、世界で約3900頭の野生のトラが生息している。(c)AFP