【6月9日 People’s Daily】「中央政府が累計1兆6300億元(約28兆円)を投入し、近年チベット支援の省・市も通算693億元(約1兆1800億円)を投入した。そのうち5900億元(約10兆円)余りの投資により、川藏道路(四川ーチベット)、青蔵鉄道(青海ーチベット)、ミニヤコンカ空港、蔵木水力発電所など一連の重大工事プロジェクトを実施した。これにより、チベット自治区(Tibet Autonomous Region)の経済社会発展を力強く推進し、わずか数十年で千年の発展レベルを超える奇跡を起こし、チベットを大きく変えた」と、中国国務院新聞弁公室が5月22日午前に行った記者会見で、チベット自治区の呉英傑(Wu Yingjie)党書記、自治区政府シザラ主席がチベットの経済社会発展状況について、こう紹介した。

 近年の正確な施策、きめ細かな支援を通じて、チベット全域で62万8000人の貧困支援システム登録貧困者がすべて貧困から脱却し、74の貧困県(区)がすべて貧困線より高い水準の発展を達成した。「2020年の農村住民の1人当たり可処分所得は前年比12.7%増の1万4598元(約25万円)で、18年連続で2桁成長を続けている」と、呉書記は述べた。

 シザラ主席の紹介によると、「第13次五か年計画(十三・五)」時期に、中央はチベットに3807億元(約6兆5200億円)の投資を計画し、実際に実行された投資は3937億元(約6兆7400億円)で、中央マスタープランを超える形で完成させた。多くの農牧民大衆の生活が「バケツから水道管へ、ランプから電灯へ、土の道からアスファルト道路へ」という進歩を実現した。「十四・五」期間の投資は「十三・五」の基礎の上で比較的速い成長を維持し、主に生態文明建設、民生分野、社会ガバナンス、国境地域建設の4つの方面に重点を置くという。

 チベットは教育優先の発展を一貫して堅持し、就学前教育、基礎教育、職業教育、高等教育、継続教育、特殊教育を包括する現代教育システムをほぼ全面的に確立させた。

「現在の全域は各級各種学校3195校、在学生88万人余りがおり、就学前教育の総就学率は87%、小学校の学齢教育入学率は99.9%、義務教育定着率は95%に達した」。シザラ主席によると、特に第18回党大会以来、就学前教育から高等教育までの支援システムを健全に構築し、公営教育を実現した。チベットの農牧民に対して国は「三包政策」を実施し、教育資金や支援金は180億元(約3080億円)余りに達し、延べ1102万人の学生を支援し、各種支援政策は40件に達し、人民大衆の教育獲得感は絶え間なく高まっているという。

 2012年以来、チベットの医療衛生事業は全面的に改善され、全国と足並みをそろえての発展を基本的に実現し、市民の健康レベルは著しく向上した。衛生健康サービスシステムの構筑を加速させ、区・市・県・郷・村をカバーする五級医療衛生サービスネットワークを初歩的に完成させ、農牧区医療制度をベースに、大病保険を補充とし、医療救助を頼りにした多重医療保障システムを形成した。医療サービスのレベルを絶えず向上させ、育成システムを完備することにより、医療人材の「グループ式」のチベット支援の実施を深め、三級病院の連携支援を展開し、重い病気でも自治区から出ない、中度の病気では地級市から出ない、軽い病気では県区から出ないという医療サービス体制を実現させた。チベット医学のイノベーションと発展の面では、現在3つの国家級チベット医学地域診療センター、1つのチベット医科大学、17社のチベット医学薬品生産企業がある。(c)People’s Daily/AFPBB News