【6月8日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2021)男子シングルス4回戦で、四大大会(グランドスラム)通算18勝のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を追い詰めた19歳のロレンツォ・ムゼッティ(Lorenzo Musetti、イタリア)は7日、トップレベルの相手とも戦える自信を得たと話した。

 今回がグランドスラム初出場だった世界76位のムゼッティは7-6(9-7)、7-6(7-2)、1-6、0-6、0-4とリードされたところで負傷のため途中棄権したが、最初の2セットを奪って同1位のジョコビッチを驚かせた。

 75分で第1セットを、66分で第2セットをものにした後は尻すぼみに終わったが、ムゼッティは「素晴らしい経験だった。間違いなく自分のベストのテニスができた。きょうのようにプレーできたことは一度もない」と話し、「もちろん少し落胆しているが、自分は世界ナンバーワンと戦い、最初の2セットを取った」と前を向いた。

「彼が非常に良いプレーをし始めた一方、自分はいくつか身体的な問題があった。そこが課題だと思う」

 ジョコビッチが四大大会で2セットダウンから逆転勝利を収めるのは今回が5度目となったが、ムゼッティにとっては5セットを戦うこと自体、3回戦のマルコ・チェッキナート(Marco Cecchinato、イタリア)戦に続き、これがキャリアでわずか2度目だった。

「チェッキナート戦も5セットで、3時間の非常にタフで激しい試合だった」と振り返るムゼッティは、「(3回戦が)5セットではなく3セットだったら、きょうは違う結果になっていたかもしれない」と話し、「でも比べることはできない。今週のことはうれしく思うし、きょう披露したテニスにも満足している」と続けた。

 ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)16強の快進撃で自信を深めたムゼッティは、今後は「お気に入りのグランドスラム」であるウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)に視線を切り替える。

「気持ちや感情だけでなく、多くの経験値を得たと思う」と振り返るムゼッティは、「自分にどういったプレーができるか、ノール(Nole、ジョコビッチの愛称)のようなツアー最高峰の選手までの距離がどの程度かを知ることができた。良いプレーをすればこのレベルを維持することができると分かった」と話した。(c)AFP