【6月8日 AFP】フランスのパリ第5大学(Paris Descartes University)で、科学研究のため献体された遺体が腐敗したまま放置されていたことが発覚した問題で、元学長が起訴されたことが7日、明らかになった。

 パリの歴史地区カルチェラタン(Latin Quarter)に位置し、「解剖学の神殿」とうたわれてきた同大の献体センターは、1953年の創設以来、半世紀以上にわたって年間数百体の献体を受け入れていた。

 しかし数千人の遺体が腐敗したり、ネズミにかじられたりしたまま放置され、さらに売却もされているとの報道を受けて2019年、政府によって閉鎖された。

 捜査関係者がAFPに語ったところによると、この件でフレデリック・ダルデル(Frederic Dardel)元学長が遺体1体を冒涜(ぼうとく)したとして起訴された。弁護人も4日に元学長が取り調べを受けた後、起訴されたと認めた。

 仏週刊誌レクスプレス(L'Express)は2019年11月、「パリ中心部の集団墓地」と表現し、同センターのスキャンダルを暴露。冷蔵室で撮影された写真に「裸の遺体、切断された遺体、目を開けたままの遺体、担架に積み重ねられた遺体」による不気味な光景が写っていたと報じた。

 さらに、「何十体もの遺体が筆舌に尽くしがたい状態で散乱している。腐敗した脚がぶら下がっているかと思うと、ネズミにかじられて穴だらけになり黒ずんだ脚もある」と続けた。

 匿名の情報筋が同誌に語ったところによると、遺体は「何十年もの間」積み重ねられていたが、2013年から状況が急激に悪化したという。

 同誌はまた、冷蔵室のドアの一つがさびて閉まらなくなっていたことや、エアコンが頻繁に故障し、解剖前に腐敗してしまった遺体を職員が焼却せざるを得なかったことなどを報じた。

 さらに、解剖学の講義用に提供された遺体が個人や企業に売却され、手足1本が最高400ユーロ(約5万円)、全身は最高900ユーロ(約12万円)で取引されていたことも明らかになった。(c)AFP/Guillaume DAUDIN