【6月7日 AFP】インドネシアの連続ドラマで、14歳の女優が一夫多妻婚の第3夫人を演じ、物議を醸している。

 この女優が演じるのは、父親の医療費を肩代わりしてもらう代わりに裕福な実業家の第3夫人になることを強いられた10代の少女。劇中では39歳の俳優が演じる夫との親密な関係が描かれ、少女の妊娠を知った夫が腹部にキスするシーンもあった。

 イスラム教徒が大多数を占めるインドネシアでは一夫多妻婚は珍しくないが、児童婚は違法だ。ドラマの制作陣には、児童婚を当たり前のこととして描いているとの批判が殺到した。

 女性の権利擁護団体「ジャカルタ・フェミニスト(Jakarta Feminist)」はインスタグラム(Instagram)に、「児童婚を当然のこととして扱い、美化するのはもうやめよう」と投稿し、「成人と未成年の性的関係は小児性愛だ」と批判した。

 女優本人は10代の妻を演じることは不快ではなかったとインターネットで述べているが、インドネシア放送協会は、ドラマの放送を中止して配役とストーリー展開を変更するようプロデューサーらに命じたと発表した。

 インドネシアの法律で結婚が認められるのは19歳から。だが、一部の地域では貧困や女性の教育・就業機会の欠如から児童婚が現在も広く行われている。(c)AFP