【6月7日 AFP】女子テニス、元世界ランキング1位のビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)が6日、出場していた全仏オープン(French Open 2021)の男女格差について主催者を批判した。

 アザレンカは4強入りした2013年大会後では自身最高となる4回戦まで勝ち進んでいたが、この日はアナスタシア・パフリュチェンコワ(Anastasia Pavlyuchenkova、ロシア)に敗れて大会から姿を消すことになった。

 試合後、ここまで7試合中6試合が男子というナイトセッションの割り振りについて問われたアザレンカは、「気になっているのは、フランステニス連盟(FFT)の人間が大会は平等だと言い続けている一方で、その中身が賞金しか指していないこと」とコメントし、賞金以外では男子が優遇を受けていると指摘した。

「賞金に関しては確かにそうかもしれない。だけど他の部分についてはちっとも同意できないし、それを残念に思っている」

 アザレンカは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で秋に延期になった2020年の全仏でも、試合が中断した際に「二人ともアヒルみたいになってる。ここは寒すぎる」と不満をこぼしてコートを離れていた。

 全仏では今年から新たにナイトセッションが設けられ、FFTは米インターネット通販大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)と中継に関する3年間のパートナーシップを締結。その日一番の目玉の試合をゴールデンタイムの視聴者に提供するはずだった。

 ところが実際には、その枠に選ばれる試合の数は男子と女子とで差があり、これが批判を集めている。アシュリー・バーティ(Ashleigh Barty、オーストラリア)や大坂なおみ(Naomi Osaka)が早い段階で大会を去り、けがのシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)が出場していないことも状況を難しくしている。

 この差を解消すべく、7日の準々決勝では前回女王イガ・シフィオンテク(Iga Swiatek、ポーランド)対マルタ・コスチューク(Marta Kostyuk、ウクライナ)の試合がナイトセッションに割り当てられた。(c)AFP/Martyn WOOD