【6月7日 People’s Daily】先日、2021上海国際自動車工業展覧会(以下、上海モーターショー)の開幕数日前の4月21日に、ファーウェイ(Huawei)の自動運転システムを搭載した極狐(ARCFOX)・アルファS・ファーウェイHI(Huawei Inside)版が発売された。ファーウェイの力で、極狐は、発売からわずか4日で1000件の受注があった。
 
 今回の上海モーターショーでは、スマート電気自動車(EV)は初めての概念ではなく、極狐のみならず、ほぼすべての外資系ブランド、中国の自動車メーカーがスマートEVの量産製品を発表した。

「この勢いでは、今年中国の新エネルギー自動車の販売台数が200万台を突破し、250万台に上る可能性もある」。上海モーターショーの現場では、新エネルギー自動車市場について楽観的な見方を示した専門家が数人いた。中国自動車工業協会の統計によると、今年の第1四半期、中国の新エネルギー自動車の販売台数は51万5000台で、前年同期比2.8倍に増加した。このうちピュアEVの販売台数は43万3000台で、前年同期比3.1倍に増加した。

「第1四半期の良好なデータは、中国のEVが政策駆動型から市場駆動型への移行を初期的に実現したことを示している」、これによってスマートEVの発展のためのユーザー基盤は確立したと嵐図汽車科技公司の最高ブランド責任者の雷新(Lei Xin)氏は述べた。

 上海汽車グループ(SAIC)副総裁、乗用車会社総経理の楊暁東(Yang Xiaodong)氏は、「20万元(約340万円)以上、50万元(約860万円)以下の乗用車は、中国で毎年500万〜600万台が販売されており、その大多数は伝統的な車で、多くは徐々にスマートEVに取って代わられようとしている」と述べた。

 もちろん、進化のスピードを決めるのは、市場の受容度だけでなく、コア技術や産業チェーンの成熟度にもある。「ヘッドアップディスプレーの機能を補強し、レーザーレーダー、4Dミリ波レーダー、400TOPS以上のハッシュレートチップなど、かつては概念にすぎなかったものが量産されるようになった」。東風小康の劉昌東(Liu Changdong)執行取締役は、スマート自動音声応答装置、スマート車室、自動運転支援などに代表されるスマートネットリンク技術が、スマートEVに標準装備されるようになったと感慨深く語った。

「新興技術要素の自動車業界への参入とエネルギー使用方法の変化は、自動車を新技術の方向に変化させ、同時に新しい自動車、新しいブランドを生み出す」。長安汽車(CCAG)の王俊(Wang Jun)総裁によると、同社は「第十四・五」期間に1500億元(約2兆5700億円)を投入し、三大ピュアEVプラットフォームをつくり、26車種の新型スマートEVを次々と発売するという。

 新たな自動車製造ブームの中で、家電、情報通信、インターネット業界、さらには不動産業界のリーディング企業が、次々とスマートEV業界に越境参入している。

 小米(Xiaomi)は3月30日、10年間で100億ドル(約1兆円)を投資し、最初の段階で100億元(約1700億円)を投入し、100%出資方式で高品質のスマートEVを製造すると発表した。これより先に、吉利(GEELY AUTO)は百度(Baidu)と共同出資で集度汽車をつくり、5年間で500億元(約8560億円)を投資する計画をしていた。ファーウェイは「Huawei Inside」という方式で北京汽車(BAIC)、長安汽車、広州汽車(GAC)と共同で3つのサブブランドをつくっている。すでに400億元(約6850億円)を投入し、世界トップクラスのデザイナー15人と協力して9車種を一度に開発している。今回の上海モーターショーでは、恒大汽車(EVERG VEHICLE)が9車種の新車をともに披露し、業界に大きな衝撃を与えた。(c)People’s Daily/AFPBB News