【6月2日 AFP】(写真追加)スリランカ海軍は2日、火災に見舞われ、同国史上最悪の海洋環境災害を引き起こしたコンテナ船が、燃料油数百トンを積んだまま沈み始めたと発表した。

 化学物質やプラスチック数百トンを積んだシンガポール船籍のエクスプレス・パール(MV X-Press Pearl)は、岸から見える海上で13日間燃え続け、火は1日になってようやく消し止められた。

 同船からはすでに、大量のプラスチックの残骸が浜辺に押し寄せている。これに加え、船の燃料タンク内の重油278トンと軽油50トンがインド洋に流出すれば、さらなる大惨事を招くと懸念されている。

 コンテナ船を岸から遠ざけるため、2日にえい航が始まったが、インディカ・デシルバ(Indika de Silva)海軍報道官は船がゆっくりと沈み始めていると発表し、「船尾も甲板も水面下にある」と述べた。

 AFPカメラマンによると、コロンボ(Colombo)から約40キロ離れたネゴンボ(Negombo)の浜辺付近で油が確認されたが、これがコンテナ船から流出したものかどうかは分からない。

 デシルバ報道官は、オランダのサルベージ会社SMITの担当者らによるえい航に向けた接続作業を海軍が支援したと述べ、「船が完全に沈む前に、岸からできるだけ離れた場所へえい航する」との方針を示した。

 漁港開発担当のカンチャナ・ウィジェセクラ(Kanchana Wijesekera)大臣も、サルベージ会社の話として「船が現在の位置で沈み始めている」とツイッター(Twitter)で明らかにした。

 ある関係者はAFPに対し、「消火活動で大量の水が甲板にまかれ、その大部分が船尾にたまっている」と述べた。(c)AFP/Amal JAYASINGHE