【6月1日 AFP】韓国が主催する気候変動サミットの冒頭で、ソウルではなく北朝鮮の首都平壌で開催されているかのようなプロモーション動画が流れ、嘲笑の的となった。

 5月30日にソウルで開幕した「グリーン成長とグローバルゴールズ2030のためのパートナーシップ(P4G)」首脳会議の冒頭に流れたのは、ふんだんな予算で制作されたと思われる動画だった。

 しかし、北朝鮮の首都を流れる大同江(Taedong River)を中心に、15万人を収容できる世界最大級の「メーデースタジアム(May Day Stadium)」が登場。そこから一気にズームアウトして、平壌の街並み、朝鮮半島(Korean Peninsula)、アジア、世界を映し出し、キャプションには「世界中のリーダーがきょうここに集う」と書かれていた。

 この取り違えはインターネットで嘲笑を浴び、主要野党、国民の力(People Power Party)は「外交上の大失策」として文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)政権を非難した。

 その後、動画は編集し直され、ユーチューブ(YouTube)版では、問題の部分がソウルからのズームアウトに置き換えられた。

 韓国大統領府(青瓦台、Blue House)によると、動画は「タイトなスケジュール」で外注したものだという。

 主催者側はAFPへの書簡で、「準備段階で徹底的にチェックしなかったことを遺憾に思う」と述べた。「このような問題が二度と起こらないように最善を尽くす」

 2日間の日程でオンライン形式で開催された同サミットには、米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領と中国の習近平(Xi Jinping)国家主席の参加が予想されていたにもかかわらず、実現しなかったことから、文政権の外交力を疑問視する声が上がっていた。(c)AFP